日本シリーズにふさわしい見事な投手戦だった。
そして、
中日ドラゴンズが、53年ぶりに悲願の日本一を達成した。
北海道日本ハムのエース・ダルビッシュは、第1戦に続いて12奪三振の好投。2回に平田の犠牲フライで1点を失ったものの素晴らしいピッチングだった。この1点が最後まで大きく立ちはだかるとは夢にも思わんかった。
そして、ドラゴンズの山井がそのダルビッシュを上回るピッチングをやってのけた。
8回まで、1人のランナーも出さない日本シリーズ新記録を打ち立てる快投!日本シリーズ初の完全試合達成かと思われたが、9回は守護神・岩瀬が3人で抑えるパーフェクトリレー。
ドラゴンズが1対0で勝利。通算成績4勝1敗で日本一に輝いた。
山井に投げさせた欲しかったというファンも少なくないと思うが、これはドラゴンズが何が何でもこの試合で決める、全員で優勝するという意志の表れだったと思う。今までの方針を貫いただけではないだろうか。
ファイターズの連覇はならなかった。結果論だが、監督の辞任、新監督就任発表をクライマックスシリーズ中に行った影響が多少あったのかもしれない。
MVPは中村紀洋。日本シーズン5試合全てでヒットを打ち、しかも得点に絡んでいるのだから当然と思う。おおむね予想できたファンも多かったのではないかと思う。背番号のないユニフォームでキャンプ入り。育成選手でドラゴンズに拾われ、開幕直前に一軍入りというどん底からのスタート。それが、日本シリーズのMVPになるまでの大活躍。感無量だったと思う。
元近鉄ファンで、当時ファンだった私。彼の活躍は嬉しかった。今年は本当に野球を楽しんでいたと思う。
もし、中村紀洋がいなかったら、3位以内には入れても、日本一になれなかったかもしれない。
落合監督は4回宙を舞った。最初の第一声は「感無量」。そして、ドラゴンズが達成していない連覇を狙うと早くも宣言した。そのまえに、アジアシリーズ制覇を日本代表として狙って欲しい。